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成功者だけが入居することの出来る大通りに面するとあるビルの4階に
株式会社I-PRO さんはあります。
エレベータの扉が開くと早速オフィスが。
デザイン会社だけあってクリエイティブな匂いが実はエレベーターから匂っていました。
結局、社員通用口(と思わしき扉)から堂々と入ります。
漂う 誰だコイツ感 はこの際無視しました。
オフィスにはこれまでの輝かしい実績と細部にわたるデザインセンスの良さが光ります。
「これがクリエイティブの源かー」としばし写真撮りに夢中に。
振り向くと後ろのドアには可愛らしい受付用内線電話の案内が。
その佇まいと設置位置が、来客用入口を間違った事をそっと教えてくれました。
胸の鼓動が落ち着く前にクリエイティブディレクター 伊藤部長さんがお見えに。
今日もオシャレで年齢不詳です。このドキドキ感はときめいてるせいではありません。
入口を間違ったせいです。
インタビュアー佐々木)以下、S
「本日はお時間頂き有難うございました。色々と伺いたいので宜しくお願いします。
会社の誰にも言いませんのでざっくばらんに本心を伝えて頂けると幸いです。」
「まず、今回の依頼があってから既存のデザインを見られたと思いますが、率直なご意見を。」
本音を探るためには多少の嘘も厭いません。
伊藤部長)以下、I
「社名とロゴのバランスに違和感がありました、社名が小さいなと。」
「それにローマ字表記にしたとき、“I”が重なる部分があるんですが、
読みにくさを感じました。あと色の組み合わせも余り見ないタイプでしたね。」
従来のロゴ |
S)
「なるほど・・・(確かに)
ところで御社が得意とする分野はどんなお仕事ですか?」
I)
「広告・マーケティング・企画がメインです。デザインはもちろんですが
ブランド設計からも。企業CMや市町村のイメージキャンペーンなど
皆さん目にした事のある広告は沢山あると思います。
室蘭でいうとかつてのJazzCruise のポスターなんかも。」
S)
「やはりプロの視点から見て変えたほうがよい部分があったと。」
I)
「色の組み合わせは重要なので他社事例も元にしながら
配色のパターンは提案させていただきました。」
S)
「ただ、結果大きく変わっていないようにも思えますが。」
I)
「実はトーンを変えています。」
S)
「クリエイティブと顧客のオーダーの狭間ですね。」
I)
「・・・・。つぎに気になったのは文字体とそのバランスです。」
S)
「室蘭では有名企業ですが札幌ですと絶対ここと間違えられますもんね。
施主様にすら間違えられる程ですし。」
I)
「なので、”UCHI”を目立たせました。」
新ロゴ
|
S)
「そしてもっとも気になるのは、うちがいちばんという挑戦的な・・」
I)
「これは最初から決まっていたんです。」
S)
「と言いますと?
ぶっちゃけ他社様の目も気になったりするのですが、調子乗るなよと。」
I)
「経緯から説明しますと、
まず目指すものとして次のキーワードを社内で挙げました。」
・良い意味での脱室蘭感
・北海道を代表する会社を目指すというランク感
・設計・施行を任せれる中小企業としてのデリケートさ、繊細さ。
・現代感
・社長のfacebookから伝わる楽しそうな感じ
I)
「そして今のウェブサイトはコンテンツが多くメッセージオーバーになってる印象があったので
ロゴやキャッチは特にすっきり感を意識しました。」
「更に言わせてもらうなら、
自社の情報よりはよりお客様の視点で色んなメッセージを発信したら良いと。
それらも合わさって、“うちがいちばん”というワードが出てきました。
“うち”と言うのは、お客様が自分のことを指す“うち”という意味を込めてます。
“わたしのうちがいちばん”と。
S)
「なるほど、内池の“うち”や我が社としての“うち”ではなく
お客様自身の“うち”だったんですね。
お話しを聞いたうえであらためてデザインを見ると決して挑戦的ではありませんね。
むしろお客様に寄り添ってる感じがします。」
I)
「家族やオーナーさん達の視点、理想像を思い描けないと、
建築に落とし込めないのではないでしょうか。そんな意味を汲んでいただけると。」
S)
「このデザインが、これから各工事現場で見られる訳ですね。」
「そういえば弊社札幌支店の入口の看板もこれに変えるとインパクトありますね。」
I)
「有効なブランディングだと思います。」
作者の意図を伺うと、表面的でない奥に潜むものが見えてきます。
すべてのお客様が「うちがいちばん」と思っていただけるような
建物作りになったら良いなと思いました。
第2回ここまで
次回はもっと深い話となりました。
第3話へつづく
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